1980 年代の半ばにカメルーンのニオス湖とマヌーン湖で起きたCO2 ガスの突発的な放出(=湖水爆発)は約1800名の犠牲者をもたらした.湖水爆発の直接的な原因は,湖水に蓄積したマグマ起源のCO2であった(Kusakabe et al., 1989; Kling et al., 1989; Sigvaldason, 1989; Evans, et al., 1994).この蓄積は,湖底でCO2に富む温泉水が湧出し,湖水の密度成層のため上昇が阻害されるために起きる.湖水の溶存成分を詳細に調べ,成層構造の形成過程を解明することは将来の湖水爆発を予測する上で重要である.