抄録
ガンジスデルタのヒ素の固定物質や運搬過程を推定するため、河床堆積物中の主要鉱物組成、化学組成、平均粒径を分析しヒ素濃度との関係をしらべた。ヒ素を固定する相を推定するためにヒ素の逐次段階抽出を行った。
その結果、平均粒径が500μm以下の堆積物では粒径が小さいほどヒ素濃度が高い傾向を示した。酸水酸化鉄やマンガンに固定または吸着されたヒ素はあまりなく、ヒ素を固定する相は、ケイ酸塩や硫化物等の難溶相中であると推定した。
ヒ素が河川中を運搬されるとき、一次供給源となるヒ素含有鉱物に固定された状態で、分解されずに下流の地下水帯水層まで運搬されると推定される。