抄録
イラン北西部から南東部に連なるザクロス山脈は、アラビアプレートおよびネオテチス海プレートがイランプレートに衝突し形成されたと考えられているが、衝突の詳細な時期、火成活動の変遷については多様な解釈がなされている。本研究では、イランプレートの大陸縁地域であるザクロス山脈Sanandaj-Sirjan Zone (SSZ)の火成活動の変遷を明らかにするため、SSZ北部の花崗岩類のRb-Sr、Sm-Nd同位体分析から形成年代、マグマ源の推定を行った。花崗岩のRb-Sr全岩アイソクロン年代は135±8 Ma、Sm-Nd全岩アイソクロン年代は121±34 Maであった。一方、閃緑岩の全岩アイソクロン年代は得られず、同位体初生値の解析からは閃緑岩のマグマ源の不均質性が示唆された。すなわち、花崗岩、閃緑岩のマグマ源はともにDMMとEM2の2つのマントル端成分が一定の割合で寄与しているが、閃緑岩のマグマ源はDMMとEM2の寄与の割合に変動幅があり、同位体初生値の不均質性を生み出していると考えられた。