抄録
油層内微生物による原油分解-メタン生成活動の実態を把握するため、山形県の高温油田サンプルについて地球化学的手法および微生物学的手法を用いて、原油組成、ガス組成、微生物組成の解析を行い、さらにメタン生成経路の推定を行った。原油の炭化水素組成およびガス成分の安定炭素同位体比において、原油の生分解と生物的メタン生成の形跡が検出された。全菌数は10 5 cells/mlで、培養可能なメタン生成古細菌が少なくとも10 3 cells/mlのオーダーで生存していることが確認された。メタン生成の経路に関しては、遺伝子を対象とした微生物群集構造解析で水素-二酸化炭素利用の好熱性メタン生成古細菌が主に検出されたのと調和的に、同経路の活性が最も顕著であった。さらにメチル化合物利用のメタン生成古細菌の生育と同経路の活性も検出され、特異的な物質循環経路が存在している可能性が示唆された。