抄録
油層環境には活発なメタン生成活動が存在することが知られているが、そのメタン生成経路については未だ明らかでない。そこで我々は深部地下油層環境における油層内微生物のメタン生成経路を明らかとすることを目的とした。秋田県八橋油田から採取した油層水を用いてマイクロコズムを構築し、油層環境を模倣した高温高圧培養試験を行った。その結果、油層水に含まれる酢酸の減少に伴い、メタン生成が観察された。また、安定同位体トレーサー実験の結果、[2-?SUP?13?/SUP?C]-酢酸を添加した高圧培養では油層水中の溶存無機炭素が?SUP?13?/SUP?Cでラベル化され、?SUP?13?/SUP?C-重炭酸を添加した高圧培養では生成したメタンが?SUP?13?/SUP?Cでラベル化された。そして培養後油層水中には、水素資化性メタン生成菌と酢酸酸化細菌が優占した。以上の結果は、油層環境におけるメタン生成が、酢酸酸化水素生成とCO?SUB?2?/SUB?還元の連鎖反応によって進行することを示している。