抄録
バングラデシュでは、汚染地下水を飲料水として利用した結果、皮膚がんなどの健康被害が確認されている。このような背景において、地下水のヒ素汚染機構の解明は急務であるが、帯水層中でのヒ素の化学的な挙動は複雑であるため、その理解は十分ではない。本研究では、ヒ素の溶出に関する評価が不足している地下の下部帯水層に対しヒ素の溶出可能性について評価を行う。地下水と堆積物のAs分配係数の決定とAsの抽出実験より、Asの溶出が 100 μg/Lを超過しないことが推測された。この結果は下部滞水層は上部滞水層に比べヒ素を含有しにくいことを示唆している。