抄録
南関東ガス田の更新世堆積物中の微生物のメタン生成ポテンシャルを培養実験で評価した。試料は深度287-604 mのコア試料と、ガス/水セパレーターの下流に位置する沈砂槽に溜まったスラッジを用いた。 [14C]- 重炭酸と [2-14C]-酢酸を添加するトレーサー実験でメタン生成速度を測定するとともに、トレーサーを添加しない長期培養実験で生成するメタンの積算量を測定した。トレーサー実験において主要なメタン生成経路はCO2還元であった。深度607mの泥質堆積物から得られたメタン生成速度はこれまで海底堆積物から得られた多くの測定値よりも高かった。長期培養実験ではメタン生成が数か月継続し、マスバランスに基づく検討結果から、メタンのほとんどがケロジェンに由来することが分かった。難分解性有機物の相当の部分を微生物が分解しメタンに変換できることが実証された。