抄録
2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震の直後に発生した津波浸水域を含む宮城県全域の地下水と河川水の水質調査を2012年3月から11月にかけて行った。その結果、宮城県の内陸部の地下水環境は人為的汚染が少ないおおむね清浄な環境にあるが、津波浸水域では津波による塩水化がしばしば見られた。被災1年後の塩化物イオン濃度は500mg/L以下のものが多かった。また、土壌汚染とは異なり、地下水中の金属汚染は鉄・マンガンを覗けば軽微であった。これらの元素の溶出は海水侵入に伴う地下水の還元化によるものと推定された。