抄録
化学合成細菌種の存在を予測するための指標を導出することを目的としたモデル構築と解析をおこなった。ある細菌種が系に存在するための必要条件として「系に侵入した際に増殖できること(侵入可能性)」と「攪乱に対して頑健に存在できること(頑健性)」の2つを掲げ、熱力学的・速度論的・生理学的な制限の存在下における侵入可能性と頑健性とを定量的に評価する手法を提案する。また、侵入可能性と頑健性を様々な酸化還元対の濃度条件下で計算することにより、ある細菌種が系に存在するために最低限必要とされるΔrGの閾値(ΔrGθ)を導くことができる。このΔrGθをΔrGと比較することで、環境中に存在する化学合成細菌種をより正確に予想することができるかもしれない。本発表では具体例として好中性鉄酸化細菌を対象とし、数値シミュレーションによって侵入可能性と頑健性とを調べ、ΔrGθを見積もった結果を紹介する。