日本地球化学会年会要旨集
2013年度日本地球化学会第60回年会講演要旨集
セッションID: 1A17
会議情報

G2 古気候・古環境解析の地球化学
底生有孔虫Uvigerina属の炭素酸素安定同位体組成の環境指標としての有用性の再検討 ―種間および個体間の同位体組成比較から―
*田中 崇史石村 豊穂木元 克典原田 尚美鈴木 淳
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
底性有孔虫であるUvigerina属は、古環境解析に用いられる代表的なタクサである。本研究では,①種内での個体毎の安定同位体比のばらつきの有無を評価、また②種間での安定同位体比の差違を明らかにすることを目的に,Uvigerina属の環境指標としての有用性を再検討した。 Uvigerina属の炭素・酸素安定同位体比は個体毎の同位体組成に高い均質性がみられ、他地域での先行研究(Ishimura et al., 2012)にて報告された分析結果と調和的である事から、種が異なってもUvigerina属自体の安定同位体組成はばらつきが小さく、1個体でも環境指標となり得ることを見出した。一方で、炭素安定同位体比に関しては、U. akitaensis はU. ochoticaに比べておよそ0.7‰重い値を持つという有意な差を見いだした。
著者関連情報
© 2013 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top