日本地球化学会年会要旨集
2013年度日本地球化学会第60回年会講演要旨集
セッションID: 3A03
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J1 地球外物質科学の現状と未来
初期太陽系年代学の統一的理解に向けて
*飯塚 毅
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キーワード: 鉛同位体, 短寿命核種
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抄録

 初期太陽系素過程の順序,及び正確な時間スケールを決定することは,太陽系の初期進化を理解する上で不可欠である.多くの長寿命核種を用いた同位体年代法の精度は十分に高くない(>10 Myr)ため,初期太陽系年代学には,短寿命核種の放射壊変を利用した年代法が主に用いられる.しかし,短寿命核種年代法は,相対年代しか与えず,短寿命核種が太陽系初期に均一に分布していたことが前提となる.一方,U-Pb年代法は太陽系初期物質の高精度・絶対年代測定を可能とする.そして,同一試料について,高精度U-Pb年代測定と短寿命核種年代測定の両方を行えば,その当時の消滅核種の存在量を決定できる.さらに,複数の試料について短寿命核種年代とU-Pb年代の対応関係を調べることにより,太陽系初期における短寿命核種の分布の均一性を評価することが可能となる. 本発表では,現在のU-Pb年代分析法で達成しうる分析精度や必要な試料量について紹介すると共に,最近得られた信頼性の高いU-Pb絶対年代基準について報告する.

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© 2013 日本地球化学会
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