抄録
Fe-Ni合金は優れた軟磁気特性を有しており,センサなどの磁気デバイスに応用されている。Fe-Niめっき膜に関しては,従来多くの報告がなされていたものの,その多くはpH緩衝材としてホウ酸を用いていた。このホウ酸に含まれるホウ素が我が国では排水規制されている。以上の背景のもと本研究室ではホウ酸を代替する酸としてクエン酸に着目し,クエン酸浴から作製したFe-Ni膜の各種特性の報告を行ってきた。本研究では,ホウ酸フリーなめっき浴からの高効率なFe-Ni成膜を鑑み,アンモニウム塩に着目し,膜の組成や磁気特性,電流効率などに与える影響を検討したのでその結果を報告する。