抄録
土壌中でCsを保持できるのは、負電荷を帯びた部分である。土壌の負電荷は土壌有機物や粘土鉱物に由来する。土壌中の負電荷量は、陽イオン交換容量(CEC)として評価できる。CECは土壌の養分保持能とも関連した重要な指標のひとつであるため、土壌の一般的な理化学性として多くのデータの蓄積がある。しかし、放射性Csの土壌中への保持されやすさは、CECのみでは説明できない。中長期的な放射性Csの挙動を考えるうえで、土壌がどの程度放射性Csを固定するポテンシャルがあるかを評価する必要がある。その評価法として、放射性セシウム捕捉ポテンシャル(Radiocaesium Interception Potential, RIP)の原理と測定手法を紹介する。これまでに、福島県を中心に300地点以上の土壌のRIPを測定してきた。RIPは土壌特性のひとつとして放射性Csの中長期的な植物移行や水系への分配を示す重要な指標として有効である。