日本地球化学会年会要旨集
2013年度日本地球化学会第60回年会講演要旨集
セッションID: 3D09
会議情報

J3 炭酸塩の地球化学
Aragonite表面における2価陽イオンの安定性:第一原理計算による考察
*川野 潤佐久間 博永井 隆哉
著者情報
キーワード: aragonite, 表面, 第一原理計算
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
近年、CaCO3多形の形成過程に関して、形成する多形の決定にその表面エネルギーが大きな影響を及ぼしていることが指摘され、原子レベルでの表面の構造や、原子・分子の吸着の素過程を明らかにすることが、さらに重要な意味をもつようになってきた。本研究においては、第一原理計算を用いて、本来aragonite構造に固溶しないMgが、aragonite表面近傍のCaサイトに置換する際のエネルギーを見積もるとともに、表面構造に与える影響を考察した。その結果、Mgは、aragonite最表面には、バルクに比べて大幅に小さいエネルギーで置換しうることが確認された。また表面構造を詳細に検討すると、置換されたMgの上層および下層のCO3は非常に強い影響を受けて変位し、表面構造に変化をもたらすことが明らかになり、CaCO3の形成や成長に影響を与えることが示唆された。
著者関連情報
© 2013 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top