抄録
福島第一原子力発電所事故に由来する放射性ストロンチウムの環境汚染実態の解明はセシウムに比べて遅れている.その原因として,分析法の難しさもあると思われる.そこで本研究では,以前から行われている放射性ストロンチウム分析法(文部科学省 2003)を元に,新たにクラウンエーテル処理等を用いることで,その分析法の簡略化を検討した.その結果,検討した手法を放射性ストロンチウム分析に組み入れることで,従来法に比べて使用する試薬の種類と量,処理工程の数を削減できる可能性があることが分かった.今後は,放射性核種分離の観点からの評価が必要である.