抄録
サンゴ礁を形成する造礁サンゴには数百種類あり,その形状は様々である.造礁性サンゴ外骨格はaragoniteから形成される.サンゴの形状の違いは,基本構造である扇状組織(石灰化中心と繊維状組織)の重なり方が異なることに起因すると考えられる.これまで複数種類のサンゴ骨格について光学顕微鏡観察と化学組成分析が報告され,石灰化中心は繊維状組織に比べ,有機物が多いため顕微鏡下で暗い部分であるとされる.塊状サンゴ骨格の結晶組織はTEM観察から,石灰化中心のaragonite結晶は小さく粒状(数十~数百nm)で結晶方位がランダムで,繊維状組織はc軸に方位を揃えた長さ数μmのaragonite針状結晶によって密に構成されていることがわかっている.これら結晶組織の特徴がどのサンゴ種でも同一であるかは,サンゴの形状と石灰化機構の関係性を理解する上で重要である. 本研究では,枝状サンゴ骨格の微小領域における鉱物組織・形態の詳細な観察を行い,塊状サンゴとの比較を行った.