日本地球化学会年会要旨集
2014年度日本地球化学会第61回年会講演要旨集
セッションID: 1A01
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G04 鉱物境界面の地球化学、水−岩石相互作用
風化花崗岩中のレアアースの存在状態と抽出特性
*本多 翼高橋 嘉夫田中 雅人
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抄録

中国南部に存在するレアアース(REE)資源のイオン吸着型鉱床は風化花崗岩の鉱床で、土壌に塩化アンモニウムなどの溶液を流すと、REEが容易に抽出できる。しかし日本での存在やREEの抽出特性と分子レベルの化学状態の関係は明確ではない。そのため、広島県及び島根県の風化花崗岩を対象に、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法などを用いてREEの抽出特性と分子レベルの化学状態の関係を調べた。風化の具合(CIA)、抽出率の高い試料のYのEXAFSスペクトルはY溶液のEXAFSスペクトルと類似している。この結果、REEは水和イオンの状態で粘土鉱物に弱く吸着しており、抽出が容易な状態であると示唆された。一方CIA,抽出率の低い試料のEXAFSスペクトルはY溶液のEXAFSスペクトルと異なり、他の元素と強く結合しており、抽出されにくい状態であると示唆された。結果、EXAFSパターンが外圏錯体であり、大いに風化している風化花崗岩は高い抽出率を持っていることが示唆された。

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