抄録
水のDICの14C分析のための化学処理法としては、沈殿法、バブリング法、ヘッドスペース法などが用いられている。海水試料については、バブリング法を用いたWOCE基準と呼ばれる国際標準の処理法が取り決められているが、海水以外の水試料の14C分析法についての取り決めはない。そこで我々は、水試料の化学処理法の違いによる14C相互比較を行うプログラム(RICE-W: Radiocarbon Intercomparison on Chemical Experiments, Water series)を立ち上げ、DIC濃度・塩濃度の異なる水試料(海水、温泉水、地下水等)を6研究機関に配布し、14C相互比較を開始した。本発表では、これまでに得られた結果のうち、化学処理法による違い、水銀添加の効果、14C濃度の経時変化について報告する。