臨床化学
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ELISA(Enzyme-Linked Immunosorbent Assay)法による新生児血液ろ紙中のグリココール酸の定量
池田 ひろみ大熊 博前田 昌子辻 章夫松井 陽神戸川 明
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1992 年 21 巻 2 号 p. 86-91

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抄録
胆道閉鎖症の新生児マススクリーニングを目的として, グリココール酸のELISA (enzyme-linked immunosorbent assay) 法を開発した。スクリーニング用乾燥血液ろ紙を用いた検量線は, 検量域 1-32nmol/mlで, 精度はn=5で日内2.6-8.9%, 日間3.4-8.2%と良好であつた。正常新生児3165 検体のマススクリーニング用検体を測定したところ, グリココール酸 (GCA) の測定値の平均は, 8.25nmol/ml (全血液) であった。また, 胆道閉鎖症の患児24検体のGCA測定値の平均は, 49.26mol/ml (全血液) となり, 正常児に比べ約6倍の有意な高値を示した。別に, 同一検体の総胆汁酸量を酵素蛍光法で測定し, 比較すると, 相関係数r=0.96と良好な相関を示した。
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© 日本臨床化学会
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