抄録
古気候・古環境研究とは、広い時空間スケールにわたって宇宙-地球間や海洋-大気-陸域の各系間における多様なリンクについて知り、そこから地球表層環境の本質をえぐり出す研究分野である。多くのオープンクエスチョンの中でも「気候変動のドライビングフォース」・「物質循環」・「進化」に関する内容は関心が高い。このような問題の解決に地球化学が貢献すべき点は多く、新しい代替指標や分析法の開発、データの時空間スケールの高度化といったアプローチが必要不可欠である。研究推進には、労力と予算に加え、堆積物コア・アイスコア・サンゴなど古気候情報をもつ試料採取・分配をはじめとし、分野全体を網羅かつ統括した体制づくりが重要となる。大きな拠点を作り、微量安定同位体測定装置や目的に応じた各種質量分析計など先端的な大型装置を導入するといった大型予算を伴うやり方、古環境・古気候研究を進める既存のラボを有機的につなげたバーチャルラボラトリーの構築とネットワーク強化といった低予算型のやり方まで、複数のプランを練っておく必要がある。