日本海水学会誌
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製塩苦汁へのCO2マイクロバブルの導入によるドロマイトの反応晶析
土屋 侑子和田 善成正岡 功士佐藤 敏幸岡田 昌樹日秋 俊彦尾上 薫松本 真和
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2017 年 71 巻 2 号 p. 103-109

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抄録
本研究では,局所的なイオン濃縮場を創成できるマイクロバブルの気-液界面を結晶核化が進行する新規な晶析場として用い,製塩プロセスより排出される脱K苦汁からのドロマイト(CaMg(CO32)の製造を行った.脱K苦汁へCO2マイクロバブルの導入により,微細な気-液界面近傍での局所的なCa2+,Mg2+およびCO32-濃度の増加にともなうCaMg(CO32中のMg/Ca比の増大および微粒化が期待できる.本稿では,CO2気泡の微細化およびCO2モル供給速度がCaMg(CO32の生成速度およびMg/Ca比の増加速度に及ぼす影響を検討した.反応温度が298 K,pHが6.8の条件下で,製塩脱K苦汁に平均気泡径が40 - 2000 μmのCO2気泡を連続供給し,CaMg(CO32を反応晶析させた.その際,CO2モル供給速度を1.49 - 23.8 mmol/(l·min)の範囲で変化させた.結果として,気泡の微細化およびCO2モル供給速度の増大は1.0のMg/Ca比を有するCaMg(CO32微粒子の収率向上に有効であることを明らかにした.
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© 2017 日本海水学会
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