抄録
現在の地球のケイ酸塩部分とコンドライトの間には142Nd/144Ndに有意な差があり、この差を補償する、液相濃集元素に富んだ貯蔵庫の存在が示唆されている。Kondo & Kogiso (2014)から、この貯蔵庫は7GPaでのカンラン岩ソリダスメルトである可能性が高い。本研究はこのソリダスメルト組成をModified Iterative Sandwich Experiment (Hirschmann & Dasgupta, 2007) を用いて決定した。メルト組成はWalter (1998)から外挿した組成とほぼ整合的なコマチアイト質となった。しかしKとPは予想よりも低濃度となり、この貯蔵庫がKREEP質な組成とならない可能性が示唆された。