日本地球化学会年会要旨集
2014年度日本地球化学会第61回年会講演要旨集
セッションID: 2E04
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G07 マントル物質の化学とダイナミクス
太古代バーバートン玄武岩のLu-Hf 同位体分析:マントル初期進化への制約
*山口 能央飯塚 毅外西 奈津美中井 俊一ドウビット・ マーティン
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抄録

太古代岩石のHf同位体組成は地球史を通じたマントル進化に制約を与えうる。今回我々は、バーバートン地域の玄武岩Hf同位体比測定を行い、変成変質の影響評価をした上で、玄武岩試料で揃えたマントルのHf同位体進化の考察を行った。 当該地域二つの岩体から採取した28試料を分析した結果、εHf(3450Ma)はそれぞれ1.56±0.88, 3.00±0.95となった。これは, バーバートン玄武岩のソースマントルが35億年以前に既に部分溶融を経験し, 液相濃集元素に枯渇していたことを示す。また、他の太古代玄武岩の同位体組成と併せて, マントルHf同位体進化を推定すると, 初期マントルは約40億年前に分化し, Lu/Hf比が0.296になっていたと解釈できることが分かった。このLu/Hf比は, MORBソースマントルのLu/Hf範囲内におさまり,太古代初期のマントルは, 現在の上部マントルと同程度のLu/Hf分別を経験していた可能性が示唆された。

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© 2014 日本地球化学会
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