抄録
地球深部のマントルや地殻下部の特徴や進化の様子を明らかにするために、SrやNd, Hf, Pbの同位体比が広く用いられている。そのため、これらの元素を一つの岩石試料から迅速に分離・抽出するためのイオン交換法が必要となる。我々は、Sr, Nd, Hf, Pbの4つの元素を同一の岩石試料から効率的に分離・抽出するためのイオン交換法を検討した。また、このイオン交換法を一ノ目潟で産出した捕獲岩試料に適用し、そのSr, Nd, Hf, Pb同位体比をMC-ICPMSを用いて測定した。本発表ではこれらの同位体比から、一ノ目潟のマントル捕獲岩および下部地殻由来と考えられるはんれい岩が示す特徴について議論する。