抄録
r核種の起源は未だベールに包まれている。これは長年にわたる宇宙物理学上の課題というだけではなく、太陽系の隕石に見られる重元素同位体異常の起源を断定する上でも重要な意味を持つものであり、地球化学への深い接点を持つテーマと言える。r核種の起源の候補は2つに限られている。一つは大質量星の中心核が最後に収縮して中性子星になるときに起こす大爆発である超新星であり、もう一つの候補が中性子星同士からなる連星の合体の際にできるとするものである。本講演では銀河系および近傍に存在する矮小銀河の両者において、星々に刻まれた化学進化がr核種の中性子星合体起源説を支持することを報告する。