日本地球化学会年会要旨集
2014年度日本地球化学会第61回年会講演要旨集
セッションID: 3B10
会議情報

G02 古気候・古環境解析の地球化学
ニオウミドリイシ骨格による古環境復元:グレートバリアリーフの最終氷期水温推定と飼育実験による検討
*鈴木 淳西田 梢石村 豊穂岡井 貴司井口 亮井上 麻夕里横山 祐典
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
グレートバリアリーフで実施されたIODP Exp. 325では、最終氷期最盛期を含むサンゴ礁堆積物の掘削に成功した。しかし、採取されたサンゴ化石にハマサンゴ類は少なく、被覆状のニオウミドリイシ属(Isopora spp.)が多く含まれていた。そこで、このニオウミドリイシ属化石に注目して、酸素同位体比およびSr/Ca比より海水温の復元を試みた。その結果、グレートバリアリーフ北部では最終氷期最盛期から融氷期に掛けての過去2万年間の水温上昇は約5℃と推定された。ニオウミドリイシ属骨格組成を用いた水温復元能力を確認するため、沖縄産のニオウミドリイシを用いて5段階水温飼育実験を行った。酸素同位体比は水温と直線関係を示し、水温依存性はおよそ-0.15‰/℃で、ハマサンゴ属と類似している。これらの結果は、ニオウミドリイシ属を用いた古環境解析の有効性を示すものである。
著者関連情報
© 2014 日本地球化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top