抄録
西部北太平洋の観測定点K2の水深500mと4810mに設置したセジメントトラップにより沈降粒子を捕集し、福島第一原子力発電所事故由来の放射性セシウム(Cs-137)を測定した。水深500mで捕集されたCs-137総量と4810mで捕集されたCs-137総量が同じで水平方向からの付加はないと仮定し、4810mにおける徐々に増加する蓄積量と経過時間から粒状態Cs-137の沈降速度分布(変化)を算出した。その結果、粒状態Cs-137の1%の沈降速度は約260 m day-1、3%は約156 m day-1と算出されたが、5%では約66 m day-1となり、その後はほぼ50 ± 15 m day-1、粒状態Cs-137全体の沈降速度は約54 m day-1と算出された。