抄録
本研究は、高レベル放射性廃棄物に含まれるマイナーアクチニドのアナログ元素となる希土類元素(REE) の地下深部における挙動を理解するために、幌延堆積岩中の希土類元素(REE) を分析し、その炭酸塩鉱物REE パターンから過去の地下水REE パターンの復元可能性について検討した。その結果、炭酸塩鉱物を含む砂岩質試料、炭酸塩ノジュールおよび炭酸塩充填鉱物のうち、炭酸塩充填鉱物試料のREE パターンには、現在の幌延地域の地下水REE パターンと類似した特徴が認められた。このことから、幌延地域の地下水REE パターンは、この炭酸塩充填鉱物の沈殿時から現在にかけて、変化していない可能性が示唆された。