抄録
本研究では,沖縄トラフ伊是名海穴海底熱水系における硫黄システマティクスを明らかにするため,熱水性沈殿物の硫黄同位体比,鉱化作用および熱水の酸化還元条件,硫黄のマスバランスという観点からアプローチした.硫黄同位体分析と酸化還元条件の推定の結果,Hakurei-siteはJade-siteに比べてより還元的な熱水環境にあり,Hakurei-siteの硫化物沈殿おいて,硫酸還元菌由来のH2Sの寄与が比較的大きいことが示唆された.また,伊是名海穴の主要な硫黄ソースがマグマ由来のH2Sである可能性を,メルトから脱ガスしたSO2-H2Sの化学平衡とマスバランスモデル計算から検証した.