抄録
湖沼のアルケノン生産種として Isochrysidaceae 科の Ruttnera 属, Isochrysis 属, Tisochrysis 属に近縁の遺伝子配列が報告されている。Tisochrysis 属のアルケノン不飽和度-水温換算式を求めるために T. lutea CCMP463 株および NIES2590 株の培養実験を行ったところ、これらの株は 15℃-35°C でよく増殖し、4不飽和アルケノンを合成せず、2不飽和アルケノンと3不飽和アルケノンの比を大きく変化させて水温に応答することが明らかになった。本研究で得られた T. lutea の換算式は沿岸や湖沼の古水温復元に必要なアルケノン生産種の系統と水温換算式の対応関係に新たなバリエーションを与える。