抄録
パルマ藻は、亜寒帯域などにおける主要な基礎生産者であると考えられている。パルマ藻は不等毛植物門の珪藻綱に極めて近縁であるボリド藻綱に位置し、珪藻の進化過程の解明の足がかりとなる重要な藻類であると考えられている。
パルマ藻の持つ珪酸質殻は続成作用により容易に分解してしまうため、パルマ藻の出現時期の推定を行うには、パルマ藻の持つ脂質バイオマーカーを分子化石として用いる有機地球化学的なアプローチが有用である。しかし、堆積物の中ではこれらの化合物は続成作用を受け、構造が変化していると考えられる。パルマ藻バイオマーカーの分子化石としての利用を考えた場合、その続成変化の解明は必要不可欠である。そこで本研究では、パルマ藻の培養試料に粘土鉱物であるモンモリロナイトを添加して加熱し、人工的な熱熟成シミュレーションを行うことで、パルマ藻バイオマーカーが堆積物の中で続成していく過程を再現することを試みた。