抄録
塩素同位体比は表面電離質量分析(TIMS)により[133Cs235Cl+]/[133Cs237Cl+]の信号強度比の測定から得られるが、この塩素同位体比はCH3Cl+分子イオンを使う気体質量分析法の測定結果と異なる場合がある。TIMSの場合、測定条件が原因とされる機構不明の塩素同位体比シフトが指摘されている。原因を探すためCs2Cl+の生成機構を考察し、TIMSの試料調製法を始めに研究した。今回は測定中にCs2Cl+分子が分解すると仮定 して、反応(Cs2Cl+ → 2Cs+ + Cl-)の塩素同位体効果を分子軌道計算し、実験と比較した。