主催: 日本地球化学会年会要旨集
本研究では、福島原発事故により放出された極微量放射性同位体を調べることを目的に、学習院大学設置のICP-MS/MS(Agilent 8800)を用いて極微量放射性同位体ストロンチウム90測定法の検討をおこなった。安定ストロンチウム溶液を用いて、質量数90の妨害信号/88Sr比を測定したところ、5×10-12の値が得られた。これは土壌中に安定ストロンチウムを含んでいても通常のICP-MS法に比べ影響が少ないことを意味している。本発表では福島原発事故により汚染された土壌・環境試料の測定例を紹介し、ICP-MS/MSを用いた極微量放射性同位体分析の現状と環境放射能研究への応用について議論を行う。