抄録
本研究では、福島県伊達郡川俣町山木屋地区のスギ林及び広葉樹混交林を対象として、福島第一原子力発電所事故から4年間の林内雨、樹幹流、落葉に伴う林床へのセシウム-137沈着量を観測するとともに、各林分における林内空間線量率の時間変化傾向に及ぼす影響について調査した。福島県伊達郡川俣町山木屋地区のスギ林及び広葉樹混交林を調査対象に選定した。スギからなる人工林2林分(31年生・15年生)と広葉樹混交林(コナラ及びアカマツ)において、樹冠通過雨、樹幹流、リターフォールに含まれる放射性セシウム濃度を測定し、森林樹冠から林床への移行量をモニタリングした。4年間の観測期間中に森林樹冠から林床に移行したセシウム137は、スギ壮齢林、スギ若齢林、広葉樹混交林でそれぞれ166 kBq/m2、174 kBq/m2、60 kBq/m2であった。これらの移行量は、原発事故後に大気から沈着した総量の38%、40%、13%にあたる。