日本地球化学会年会要旨集
2015年度日本地球化学会第62回年会講演要旨集
セッションID: 2E01
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G4  鉱物境界面の地球化学,水‒岩石相互作用
微量元素の濃度や化学状態に基づくバライト1粒を 用いたEh-pH計の開発の試み
*徳永 紘平高橋 嘉夫
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キーワード: バライト, Eh計, pH計, セレン, ヒ素
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抄録
本研究では、バライト中に取り込まれた微量元素の組成および化学種を併用することで、バライト1粒子から過去の詳細な地球化学的環境の復元を行う水質計の開発と利用を目的とする。鉱物中の微量元素の価数比を用いてEhを復元するためには、それぞれの価数で鉱物への分配挙動が類似し、同様の分配比を持つことが必要となる。本研究では、取り込まれる微量元素としてセレンとヒ素に着目して実験を行い、溶液中の価数比(セレン酸(Se(VI))/亜セレン酸(Se(IV))比と(亜ヒ酸(As(III))/ヒ酸(As(V)比))を反映してバライト中にそれぞれ取りこまれるかどうかの検証を行う。加えて、これらのオキソアニオンのバライトへの取り込みは、溶存化学種のプロトン解離度(=pH)により影響を受ける。そのため、pHに応じたバライト中のAsとSeの価数と濃度の2つを特定することで、バライトが沈殿した環境のpHを推定するpH計としての利用可能性の評価を行う。
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© 2015 日本地球化学会
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