主催: 日本地球化学会年会要旨集
本研究では、水や有機物を含む炭素質コンドライト中の炭酸塩のMn-Cr年代を測定した。そして、そのデータから始原的な微惑星が集積した年代を制約することを試みた。SIMSによるMn-Cr年代測定法に必要な、MnとCrを含む炭酸塩の標準試料を実験室で合成し、高確度の年代値を得ることに成功した。その結果、CIやCMコンドライトに含まれる炭酸塩は、太陽系の誕生(隕石中の難揮発性包有物:CAIの形成年代)から約400-500万年後に形成したことを明らかにした。さらに、炭酸塩の年代データと、隕石の母天体の熱史の数値シミュレーションを組み合わせて、母天体が集積した年代は、太陽系の誕生から約350万年後であることを示した。