抄録
ケイ酸の化学交換反応系におけるケイ素の同位体分別を研究した。密度汎関数法によりケイ酸の単量体及び重合種の分子構造及び振動解析を行い、換算分配関数比を算出した。ケイ酸の重合による同位体効果は小さいが、ケイ酸単量体のプロトン化/脱プロトン化反応においては、室温において3‰(Si-30/Si-28)程度の同位体分別が起こる可能性があることが分かった。メタケイ酸ナトリウム水和物を純水に溶解し、液内に中性錯体種と陰イオン錯体種の単量体が支配的となる希薄なケイ酸溶液を調製した。この溶液を陰イオン交換カラムに通し、溶離液及び溶離後のカラムを塩酸で洗浄した溶液を回収した。ケイ素の同位体比分析をMC-ICP-MSによって行った。溶離液-回収液間には2.8~3‰の同位体分別が観測された。