日本地球化学会年会要旨集
2015年度日本地球化学会第62回年会講演要旨集
セッションID: 2P21
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G13 原発事故で放出された放射性核種の環境動態
福島沖半外洋域に水平輸送される東京電力福島第一原子力発電所事故由来の粒状態放射性セシウム
Ken O BuesselerChristopher R. German*本多 牧生乙坂 重嘉Erin E. Black川上 創Steven J ManganiniSteven M. Pike
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抄録
 2011年3月11日に発生した地震、津波、東京電力福島第一原子力発電所(以下FDNPP)事故から約4ヶ月が経過した2011年7月から2014年6月までの約3年間、FDNPPの南東沖約100kmの地点(F1:36-28N/141-28E)の2層に時系列式セジメントトラップを設置して、時系列で粒子を捕集し、捕集粒子中の放射性セシウム(134Csおよび137Cs)を測定した。その結果、全ての試料から134Csが検出され、FDNPP事故由来の粒状態放射性セシウムが3年経過した時点でも、同地点に輸送されている様子が窺えた。観測された134Csフラックスの季節変動が、海洋表層の生物活動の季節変動とは異なること、捕集粒子の主要成分は鉱物起源物質であること等から、セジメントトラップに捕集された134Csは、海洋表雄から鉛直的に沈降してきたものに加え、底層を水平的に移動したものを多く含むと推測された。
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© 2015 日本地球化学会
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