抄録
近年、途上国での非管理型のE-wasteリサイクル由来の環境汚染が問題視されている。中でも、銅等の有価金属回収や減容化などの目的で行われるE-waste野焼きは、ダイオキシン類縁化合物(DRCs)および重金属類の高濃度排出源となっている。本研究では、ガーナで採取したE-waste野焼き土壌に対してDRCsと重金属類の相互作用を明らかにすることを目的とした。濃度パターンを用いたクラスター・主成分分析の結果、CuおよびPbはDRCsと同一グループに属した。相関分析の結果、特にCuはフラン類(PCDFs, PBDFs, MoB-PCDFs)の生成に関与している可能性が示された。X線吸収微細近傍構造(XANES)により、Cu, Pb, Znの化学形態を同定した結果、主に塩化物(CuCl2, CuCl, Cu2(OH)3Cl; PbCl2; ZnCl2)として存在していると考えられた。また、CuClと複数のDRCsとの有意な正の相関から、Cuの触媒様機構によるDRCs生成が示唆された。