抄録
西太平洋の4か所(沖縄トラフ、伊豆-小笠原弧、マリアナトラフ、ラウ海盆)で採取された海底鉱床鉱物と東北地方の黒鉱の包有物に含まれるHe, Ar, CO2, H2O濃度と3He/4He, 40Ar/36Ar, 15N/14N, 13C/12C比を測定した。伊豆-小笠原弧とラウ海盆の試料は平均で8.4 Raという典型的な中央海嶺玄武岩の値を示した。一方、沖縄トラフとマリアナトラフの試料は平均で6.6Raという島弧火山の値を示した。すべての試料の40Ar/36Ar比は大気と等しいか、やや高い値を示した。伊豆-小笠原弧とラウ海盆の試料のδ15N値は平均で-1.6‰となり、沖縄トラフとマリアナトラフの平均+1.3‰より軽い値を示した。一方、二酸化炭素のδ13C値には大きな違いが見られなかった。これらのデータを用いて炭素と窒素の起源を解析した結果、沖縄トラフとマリアナトラフの試料について、伊豆-小笠原弧とラウ海盆の試料より大きな堆積物起源の寄与が見積られた。