抄録
秋田県鮎川油ガス田における女川層の熟成度は未熟成帯と油生成帯の境界付近である。この熟成度では通常、現地性の油ガスの生成はあまり期待できない。しかし、ケロジェン活性化エネルギーの測定結果は、女川層ケロジェンが通常よりも低い熟成度で油を生成することを示す。また、低生産性の油層は根源岩性状が特に良好な区間に位置する傾向がある。これらの結果は、近傍からの若干の移動はあるにせよ、油ガスが現地性である可能性を示唆する。本油ガス田においては、高生産性・高熟成度の炭化水素で特徴づけられる生産中の貯留層に対して、低生産性・低熟成度の炭化水素で特徴づけられる未開発の貯留層が存在しており、後者はタイトオイル層として開発できる可能性がある。また、秋田堆積盆地の他の油ガス田にも存在する低熟成度の原油についても現地性の可能性があり、タイトオイル層として周辺深部への連続的で広範囲な分布が期待できる。