抄録
長野県南部で採取された木曽ヒノキの酸素同位体データを数値モデルを使って再現し、その変動因子の解明を行った。1961年から1979年までの観測された酸素同位体比の年々変化は、数値モデルをつかって合理的に再現することができR=0.68)、この結果を使った解析から、この変動は樹木が根から給水した水(起源水)の同位体比の年々変動を反映していることを明らかにした。さらに、この起源水の同位体比が北太平洋10年規模振動に応答して変化していることを発見した。これらの研究成果は、樹木年輪セルロースの酸素同位体比が気候変動の指標であることを裏付ける直接的な証拠である。