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石油根源岩に含まれるケロジェンの構造は、熟成が進むにつれてグラファイト構造へと近づく。ケロジェンの熟成度評価のひとつにビトリナイト反射率 (Ro) があり、広く用いられているが、一般的には空間分解能が10 μmと低く、試料の前処理に手間がかかるという問題がある。本研究では、空間分解能が1 μmと高く、近年炭質物の熟成度評価法として広く利用されているラマン分光法に着目し、熟成度評価法の確立を目的とした。合わせて多角的な分析手法を併用することによりケロジェンの構造変化を追った。本研究により蛍光スペクトルとラマンスペクトルを併用することで、幅広い熟成度領域の試料を評価できることがわかった。