日本地球化学会年会要旨集
2016年度日本地球化学会第63回年会講演要旨集
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G08 生物と有機物の地球化学
泥炭中で不均質に進行する有機物の分解過程―顕微フーリエ変換赤外分光法(顕微FTIR)の応用―
*森下 瑞貴川東 正幸
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p. 99-

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抄録

泥炭の分解過程に関する研究は、土壌圏における炭素循環を把握する上で重要である。この点において、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)は、植物体細胞壁の主成分であるリグニンやセルロースなどの変成を定性的に判定できるため、泥炭の分解度評価に有効な手法である。しかしながら、土壌の微細環境はきわめて複雑かつ多様であるため、泥炭の分解過程は局所的に進行すると考えられる。これを考慮すると、FTIRを含む従来の泥炭の分解度分析では、バルク試料を扱うため、本質的な泥炭の不均質性状の評価や分解過程を追跡できない。そこで本研究では『微細スケールにおける分解度の多様性』を新たな指標として捉え、顕微フーリエ変換赤外分光法(顕微FTIR)を用いることで、不均質な土壌性状に即した泥炭の分解過程を検討した。

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