日本地球化学会年会要旨集
2016年度日本地球化学会第63回年会講演要旨集
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G04 鉱物境界面の地球化学、水-岩石相互作用
糸魚川静岡構造線沿いに湧出する温泉水の多様性とその起源
*中村 仁美岩森 光千葉 紀奈常 青森川 徳敏風早 康平
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p. 12-

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抄録

断層が集まる構造線沿いには,深部起源の流体が上昇している可能性がある.近年,塩濃度やO-H同位体比の類似性から,有馬温泉水の起源をスラブ起源流体と関連付け,沈み込み帯規模の物質循環に関与している可能性が指摘されている(e.g., 風早ほか2014; Kusuda et al., 2014; Nakamura et al.,2015).また,有馬型温泉水の希土類元素(REEs)組成を統計的に解析することで,水-岩石間の反応を含めた流体の上昇過程と起源について新たな知見が得られつつある(Nakamura et al., 2016).本研究では,日本列島を二分する糸魚川静岡構造線沿いの温泉水について,深部由来の可能性のある泉源の調査と試料採取を行い,希土類元素の定量を行った.その結果,北部と南部ではREEパターンに顕著な違いが見られ,特に南部ではいくつかの独自的なREEパターンがみられることが分かった.これらの多様性の解析を行うことで,温泉水の起源と上昇過程について議論する.

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© 2016 日本地球化学会
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