p. 13-
2016年2月29日~3月17日にかけて,SIP「海のジパング計画」の一環として沖縄トラフの伊平屋北海丘及び伊平屋小海嶺(野甫サイト)において,地球深部探査船「ちきゅう」を用いた海底熱水域の掘削が行われた。掘削では,伊平屋北海丘においてアキサイト(掘進長:208.5 m),熱水活動域の中間に位置する場所(107.5 m),野甫サイト(9.5 m及び121.0 m)の四ヵ所からコア試料を採取した。採取したコアは,船上で直ちに1 mごとに切り分けられ,センサーによるガス濃度測定,ガス測定用のサブサンプリングを行った。1 mごとに切られたコアセクションは,CTスキャンによって構造を確認した後,10~25cm程度を間隙水抽出用に切り分けた。切り分けられたコア試料は,IODPのプロトコルに則って処理し,間隙水を抽出した。抽出した間隙水について,船上でpH,アルカリ度,栄養塩及び硫化水素濃度を,陸上において主成分濃度を測定した。