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顕生代における大量絶滅のうち特に絶滅率の大きな5つのイベントはビッグファイブと呼ばれている。これらビッグファイブのうちで最初に起こったのがオルドビス紀末の大量絶滅である。このイベントは海水準の低下で特徴づけられており、大陸氷床の形成に関連していると考えられている。マレーシア・ランカウイ諸島・ラングン島に露出するオルドビス系-シルル系泥岩・砂岩を採取し、それに含まれる有機炭素・硫化物硫黄の濃度、同位体比組成を得た。これまでの研究と同じようにd13Cの正方向の変位を見出した。それと同期してd34Sの正方向の変位を見出した。これらと炭素・硫黄濃度組成、C/S比などの情報を組み合わせて、オルドビス紀末の海洋環境について議論する。