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環太平洋火山地帯は全長40,000 kmに及び,収束プレート境界(海溝)に沿って分布する.同火山地帯は大陸弧(島弧)火成作用により形成され,沈み込む海洋プレートから供給された流体により加水されたマントルウェッジ最下部が加圧・脱水・部分融解することで形成される.しかし,海洋リソスフェアは多くのトランスフォーム破砕帯(横ずれプレート境界)が発達する線状不均質剛体である.我々は,同破砕帯に沿って加水した線状変質帯が通常より大量の流体をマントルウェッジに持ち込み,定常的な大陸弧火成作用を活発化させる,というマグマ生産量に関する新たな定量的モデルを提案する.我々研究グループは,SVZ中央部?南部域の火山を対象に,火山地質・地形解析,年代測定・全岩化学分析,高圧岩石実験で得られた盤石な総合データに基づき,大陸弧(島弧)火成作用での新しいマグマ生成過程の構築を目指している.本発表では,これまで得られた地形解析・地球化学データを中心に予察結果を報告する.