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本研究では、水環境中の硝酸イオンの三酸素同位体組成を指標に用いることで、酸栄養湖である猪苗代湖(福島県)における窒素循環速度を定量することに挑戦した。試料採取は、2014年および2015年の6月と9月に行い、各層の硝酸濃度と硝酸の窒素・三酸素同位体組成を定量し、窒素循環速度を算出した。定量した窒素循環速度の平均値や季節変化から、湖内の同化反応は夏季に集中していることが分かった。また、湖内の硝酸の平均寿命は水の滞留時間の1.7倍であった。猪苗代湖は最近まで湖水が酸性であった影響を受けて、未だに一次生産で消費される量に対して河川などを通じて供給される硝酸量が過剰な状況が続いていると結論付けた。