日本地球化学会年会要旨集
2016年度日本地球化学会第63回年会講演要旨集
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G02 古気候・古環境解析の地球化学
完新世中期の石筍の炭酸カルシウムと流体包有物の同位体比分析による沖縄県南大東島の気候復元
*大嶺 佳菜子植村 立眞坂 昂佑浅海 竜司Chuan―Chou ShenMahjoor Ahmad Lone
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p. 54-

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抄録

石筍の炭酸カルシウムの酸素安定同位体比は降水変動を反映していると考えられているが、定量的な解釈は容易ではない。石筍に含まれる流体包有物の水の酸素・水素安定同位体比は、過去の降水の同位体比変動そのものを復元できる可能性が高い。本研究では、沖縄県南大東島の石筍の年代測定、各種安定同位体比測定を行い、完新世の降水同位体比変動と気温変動の復元を行った。試料は、沖縄県南大東島星野洞の石筍 (HSN1) を用いた。HSN1の年代は約6,000-8,000年であった。成長速度が早く、高時間分解能での気候復元が可能である。炭酸カルシウムの酸素安定同位体比の数百年スケールの変動は、太陽活動の指標である大気のδ14Cの変動パターンと類似していた。

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